
院長:真崎お気軽にご相談ください!
筋トレを始めたばかりのころ、あるいは久しぶりに運動を再開したとき、「スクワットをしていたら腰が痛くなった」という経験はありませんか?


「フォームが悪かったのかな」と思って直してみても、また痛みが出てしまう。そんなお悩みを抱えて当院にいらっしゃる方は、実は少なくありません。
動いた後に腰に違和感が出るのは、決して珍しいことではありません。でも、その痛みをそのままにしておくのは考えものです。腰痛は放置すればするほど、慢性化しやすくなる症状のひとつだからです。
今回は、スクワット中や後に腰が痛くなる本当の原因と、その改善策について、カイロプラクターの立場からお話しします。


スクワットで腰を痛める方に共通しているのは「腰だけに問題がある」と思い込んでいること。実際には股関節や体幹、足首まで連動して起きているケースがほとんどです。だからこそ、原因を正確に把握することが何より大切だと感じています
スクワットは下半身を鍛える代表的なトレーニングですが、フォームや体の状態によっては腰に大きな負担をかけてしまうことがあります。痛みが出たときに「腰が弱いから」と結論づけてしまいがちですが、原因はもう少し複雑です。腰そのものの問題というよりも、周辺の関節や筋肉のバランスが崩れた結果として痛みが出ていることがほとんどです。
スクワットは、本来「股関節を使って体を沈める動き」です。しかし、股関節の柔軟性が低いと、股関節が十分に曲がらず、その分を腰が代わりに動こうとします。
結果として、腰椎(腰の骨)に過剰な負担がかかり、痛みへとつながります。デスクワークが長い方や、日頃から座りっぱなしの方は特に、股関節が硬くなりやすい傾向があります。
体幹、特にお腹まわりのインナーマッスルは、背骨を安定させる役割を担っています。この体幹が弱いと、スクワット中に上体を支えられず、腰が反ったり丸まったりしてしまいます。
腰が過剰に反る「反り腰スクワット」は、腰椎の後方構造に強い圧迫をかけるため、特に痛みが出やすい姿勢のひとつです。スクワット後に「腰の真ん中がズーンと重い」と感じる方は、このパターンに当てはまることが多いです。
意外に思われるかもしれませんが、足首の硬さもスクワット時の腰痛に関係しています。足首が硬いと、しゃがんだときにかかとが浮き上がり、重心が後ろに傾きます。
重心が崩れると、体のバランスをとろうとして腰が過剰に動かざるを得なくなります。足首・股関節・体幹、この3つが連動して初めてスクワットは正しく機能します。どこかひとつでも弱いところがあれば、そのしわ寄せが腰にくる仕組みになっているのです。
スクワットで腰を痛めると、多くの方が「フォームを改善すれば大丈夫」と考えます。もちろん、フォームの修正は重要です。しかし、それだけで完結するかというと、必ずしもそうではありません。
正しいフォームで行おうとしても、股関節や足首の柔軟性が十分でなければ、体は自然と「代償動作」をとります。代償動作とは、動けない部分を別の部分でカバーしようとする体の反応のことです。
つまり、「腰が反ってしまうフォーム」は、意識の問題ではなく体の硬さや弱さが原因であることが多いのです。フォームを変えようとしても、なかなか変わらないのはそのためです。
「少し痛いけど我慢してやれば慣れるだろう」と考える方もいらっしゃいます。ただ、痛みのあるまま動き続けると、体は痛みを避けようとして別のかばい動作を身につけてしまいます。
そのかばいがくせになると、腰だけでなく膝や背中にまで不調が広がるケースがあります。痛みが出たら、まずその原因を正確に把握することが先決です。
スクワット中や直後に腰に痛みが出た場合、まずはいったん動きを止めて安静にすることが基本です。炎症が強い急性期には、無理に動かすよりも休息を優先してください。その上で、根本的な改善に向けた取り組みを始めることが大切です。
股関節の柔軟性を高めることは、スクワット時の腰への負担を減らす上でとても効果的です。床に座った状態で、両足の裏を合わせて膝をゆっくり開く「がっせき座位」のストレッチや、片膝立ちで前後に体重を移動するランジ系のストレッチが代表的です。
強くやりすぎず、呼吸を止めずに、じんわり伸びる感覚を大切にしてください。
足首を柔らかくするには、壁に手をついてかかとを床につけたままつま先を上げる動きや、タオルを足裏にかけて足首を手前に引き寄せるストレッチが効果的です。毎日少しずつ続けることで、スクワット時の重心の安定感が変わってきます。
「ドローイン」と呼ばれるお腹を軽く引き込む動作は、体幹を安定させる基本トレーニングです。仰向けに寝て膝を立て、鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐きながらお腹をほんの少し凹ませる。これだけでも、腰への負担を支える深層筋が活性化されます。
セルフケアを試しても改善しない場合、あるいは痛みが繰り返し出てしまう場合は、体の深いところに原因が隠れている可能性があります。
たとえば、骨盤のゆがみや仙腸関節のズレは、日常の姿勢や動作の習慣によって少しずつ蓄積されるものです。見た目のフォームを整えるだけでは対処しきれないこともあります。
当院では、腰痛の原因を特定するために約30種類の独自検査を行っています。姿勢分析や動作評価を通じて、「どこがどう機能していないか」を丁寧に確認した上で施術を進めます。
スクワットで腰を痛める方のほとんどは、腰そのものの問題ではなく、股関節・足首・体幹という連鎖の中でのアンバランスが原因です。だからこそ、腰だけを見るのではなく、全身を通して状態を把握することが改善への近道になります。
施術を通じて痛みがなくなっても、「なぜ痛みが出たのか」が分からないままでは、同じことを繰り返してしまいます。原因が特定されてはじめて、再発を防ぐための具体的なアドバイスができます。
トレーニングを楽しみ続けるために、体の状態をきちんと把握しておくことはとても大切なことだと思っています。
患者さんからよくいただく質問をまとめました。参考にしていただければ幸いです。
| よくある疑問 | 答え |
|---|---|
| 腰が痛いときにスクワットを続けてもいい? | 痛みがある間は中断するのが基本です。炎症が落ち着いてから、専門家の指導のもとで再開するのが望ましいです。 |
| ワイドスタンスにすると腰が楽になる? | 股関節の可動域が広がるため、腰への負担が減ることがあります。ただし、膝への影響もあるため一概には言えません。 |
| 腰痛持ちでもスクワットはできる? | 腰痛の種類と状態によります。正しい評価と段階的なアプローチが必要です。自己判断で始めるのはリスクがあります。 |
| 痛みが出るのは毎回ではない。放置していい? | 断続的な痛みは慢性化のサインであることが多いです。早めに原因を特定しておくことをお勧めします。 |
スクワットは正しく行えば、腰痛の予防にも効果的な運動です。でも、「痛みが出る」という事実は、体が何かを訴えているサインでもあります。
私自身、20年以上にわたって3万人を超える方々の体を診てきた経験の中で感じるのは、「痛みの出方」にはその人ごとの必ず理由があるということです。腰が弱いのではなく、体のどこかに無理が生じているだけです。
その原因をきちんと把握できれば、トレーニングを諦める必要はありません。正しいアプローチで、スクワットをまた楽しめるようになった方を何人も見てきました。もし痛みが気になるようであれば、気軽にご相談ください。一緒に原因を探していきましょう。
まさきカイロプラクティック両国整体院 院長 真崎慎之介

